「赤い橋の下のぬるい水」
星一徹のモーレツ人生相談
人生相談を引き受けてみたが、わしはこういう性分の男だ。
模範解答ではないかもしれん。
とにかく悩みを聞こうか? 星一徹
【質問】
僕には現在つきあって1年になる彼女がいます。
今年の彼女の誕生日プレゼントは潮を吹かせる程凄いセックスをしようと考えています。
しかし、噂には聞くものの実際に潮吹きというものを見たこともなく、どうやっていいかもわかりません。
これでは彼女にシオフキではなくホラ吹きと言われてしまいます。
「赤い橋の下のぬるい水」が潮吹き映画だというのを聞きました。
もし参考になるのならぜひともみたいと思います。
「赤い橋の下のぬるい水」というのはどういう映画なのか教えて下さい。(21歳学生)
【解答】
くだらん、潮を噴かせるくらいのまぐわいで誕生日プレゼントの代わりにしようとは笑止千万。
本当に彼女のためならアルバイトするくらいの根性をみせてやれ。
いや、心がこもっておればどんな贈り物でも喜ぶはず。
そうでない場合、お主と彼女の仲はそれまでということじゃ。
お主が参考にしようとしている「赤い橋の下のぬるい水」は今は亡き今村昌平の監督作品で、彼は75歳を越えても貪欲に映画を撮りつづけておった。
その根性をお主も見習うべきじゃろう。
この映画は完全にエロコメで、昔エロ映画でよく見かけたものだ。
「黒い雨」のような深刻な問題を取り上げれば、一方ではこんな映画も作る、おそるべし今村昌平。
まるでかつての川上哲治を見ているようじゃ。
女の潮吹きの話は、エロビデオでも時々あるが、ここまで徹底しているのもあまりない。
何しろ勃っている、いや立っているだけで水たまりができている状態で、多いときは鯨並みに潮を吹いている。
飲み屋で話を聞いている与太話ならともかく、映画化してしまったらやっぱりインパクトは違う。
確かにカンヌも3回もパルムドールをやれないことはわかるが、わしなら絶対に賞をやってもいいと思っておる。
もっとも、日雇いのわしにはなんの権限もないがな。
主役の役所広司は面白い映画を選んで出演しているっちゅうか、今は彼の出ている映画だったら間違いないだろう。。
この映画、登場人物全員のキャラクターが立ち捲りで、特にマラソンで大学へ入学しているアフリカ人が真剣いい味出しておる。
深刻な展開になりそうでも、こいつが走ってたり川に入って魚獲ってたりしていると安堵の溜息が出るものよ。
はっきり言ってこの映画にはお主の期待するような映像は何もない。
じゃが、最後の男女のやりとりはおかしくも感動する名場面じゃ。
「ああ、自分がいやになるくらいあなたが好き」
おぬしも女にこう叫ばせるくらいになってほしい。
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