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2006年10月22日 (日)

「座頭市」

Oku017  勝新最後の作品である「座頭市」は、実の息子が本当に人を切ってしまい、映画と関係ないところで異常に盛り上がった。
 実を言うと話題先行型の映画だと思っていた。
 ところが、映画は異常に面白く、特に勝新の居合い切りの凄さには真剣感心した。 
今更ながら彼の死は惜しい。 
 さて、彼の分身である「座頭市」を北野武が作ると聞いて、無茶をするなあと思った。
 まず、必ず勝新と比べられるのは目に見えてあきらかだし、おそらく半分以上の人間が勝新の「座頭市」を評価するだろう。
 例えば一時期フジテレビが小津の映画をリメイクしてドラマを作った時、やはり当然のようにたたかれまくっていたのをみればわかるだろう。
 フジの一連のドラマは滅茶苦茶できが悪かったかといえば、小津フリークにはそうかもしれないが一般に普通に観ている分にはそれほど腸が煮えくり返るものでもなく、1800円払ってわけのわからない映画を観せられるよりは遙かにましだといえる。
 しかし、あえて北野武が「座頭市」に挑むというのは何らかの勝算があったからこそかもしれない。
 そのできが「HANA-BI」であるのか、「みんな~やってるか!」になるのかはわからない。
 しかし、昔「オールナイトニッポン」でたけしが、火事の現場に座頭市が来て、頭から水をかぶるはずが、油をかぶって火の中に飛び込むという話を聞いて死ぬほど笑った
ことがある。
 結局、それは「みんな~やってるか!」」で不本意な形で実現しまった。
 まさか今回の映画がそうだったら情けない。
 ところが「座頭市」は想像以上に傑作であった。
 その最大の功績は座頭市=勝新のイメージを良い意味で完全に壊してしまったことであり、座頭市は素材であり、作り手の腕次第でどうにでもなってしまうこと、そして北野武は十二分にその腕を持っているのである。
 北野映画の最大の面白さは緊迫感と笑いの絶妙なバランスであるのだが、この映画は久しぶりにその面白さが全開しているのである。
 緊迫感は物語の中での座頭市の戦いっぷりを見ればわかるだろう。
 スピード感もさることながら、音響の懲り方も重みがあり、きちんとした設備で観ると迫力を感じられると思う。
 また笑いはガダルカナル・タカが久しぶりに全開しているのが良い。
 出演者もどれも見事なくらいに役に合っている。
 テレビや予告編で出てくるタップダンスなどを見るとかなりふざけた映画に思えるのだが、ダンスにしても実は相当うまい見せ方をしており、あれだけでもこの映画は十分な価値を持っていると思う。
 そして、座頭市の頭がどうして金髪なのかという、意外な理由で、そうか、こういう解釈なのかと感心した。 
 そして最後のオチも掟破りもいいところなのだが、メッセージとしての効果は出ている。
 この映画を観て勝新はどう思うだろうか?
 もちろん生きていれば北野武が「座頭市」を作ることはないのだが、ぜひとも聞いてみたいものである。

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