「地獄の黙示録 特別完全版」
昔、「淀川長治ラジオ名画劇場」とかいうラジオ番組があって、今は亡き淀川先生が映画について1時間近く熱く語る番組があった。
もちろん淀川先生のことなので、ネタバレ全開でお話なさるのだが、それでも許せたのは淀川先生の映画への愛情が伝わり、話筋がわかっても映画を観たいという気にさせてしまうからだ。
その番組で「地獄の黙示録」が公開されていた時はオープニングからマーロン・ブランドの劇中セリフを使用していた。
毎週それを聞かされるものだからすっかり覚えてしまった。
今回映画を観てそのセリフを聞いた時に久しぶりに思い出して胸が熱くなってしまった。
あれから25年以上経つのだなあと実感した。
ここ最近かつての名作や話題作がニュープリント・デジタル音声という形で公開されるのは嬉しい限り。
ビデオの普及で名画座がなくなっているとはいえ、やはり映画はできる限り映画館で観たいもの。
特にかつての名作は時間をおいて観ると印象が違う。
だからWOWOWやスターチャンネルがどれだけ新作映画を放送するといっても記憶に新しい映画を観ても仕方ないし、それよりもテレビ東京の「木曜洋画劇場」みたいに70年代や80年代の映画を放送してくれた方が観る気が出てくるというものである。
それに自分は根性がないのでビデオは最後まで観れないし集中できない。
「地獄の黙示録」は当時鳴り物入りで公開された映画で、日本では同じ時期にスピルバーグの「1941」が公開されてスピルバーグの悪ふざけぶりが結構叩かれたりしていた。 (自分は好きだったけど)
公開当時観た時は、マーロン・ブランドが主役かと思ったら少ししか出てないとかわけわかんないけど妙に凄いというイメージが強かった。
今回は53分の未公開シーンが追加された特別版である。
しかし特別編とか完全版といって面白くなった作品は大変少ない。
「ニューシネマパラダイス」は全然別物の話になったし、「ターミネーター2」はダレまくりだしく、10分でもかなりテンポが変わるのに53分も増えたらどうなるのか?
ヘラルドの45周年記念で強気の割引なしの2000円均一の賜物か、劇場はガラガラでアベックは1組のみで、残りはかつて「地獄の黙示録」を観たと思われる気合いの入ったおっさんばかりだった。
よく考えたらこのタイトルはうまいと思う。
これが今だったら原題のままだろう。
映画は大変良かった。
もっといえばこの映画、全然色褪せてない。
やっと時代がこの映画に追いついたと思う。
今だったらCGで処理するであろう爆発シーンも本物に比べると迫力が全然違うことを改めて痛感した。
CGに見慣れた今だと逆に新鮮に思えてしまう。
ヘリが編隊を組んで飛んでいるところは、70年代の映画の撮り方だなと少し懐かしく感じた(自分だけか?)
新しく追加されたカットされたシーンのおかげで大変わかりやすくなった。
人によっては緊迫感が少なくなったと思うかもしれないが、自分は作品としての深みが出ている。
プレイメイトの後日談はあってもなくてもどうでもいいだろう。
フランスのプランテーション農園のシーンはなくても十分通じるし、逆に映像的にはただくっちゃべっているだけなのだが、ヴェトナム戦争を当事者以外からの視点で見るという点においては効果的だと思う。
この映画の最大の見所はやはりサーフィン大好きキルゴア中佐のエピソードで、これに比べたらカーツ大佐登場のクライマックスは盛り上がりに欠ける。
というかやっていることはキルゴア中佐の方が問題じゃないっすか?
昔から思っているけど、ど~考えてもあのマーロン・ブランドでは肥えすぎて元グリーンベレー出身には思えないし、動かないし話しているだけだし困ってしまう。
まあおかしくなった兵士のなれの果てと思うとそれなりに納得させるしかないだろう。
良い映画は今観てもいいと思うし、若い人は初めて観る人も多いのではないか?
そういえば「スター・ウォーズ」の特別編が公開された時、20歳くらいの女の子が「滅茶苦茶面白い」と興奮してた。
今更何いってるんだ?と思ったが、生まれる前の話だから仕方あるまい。


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