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2006年10月13日 (金)

「ブラック・ジャック ふたりの黒い医者」

Blackjack  確かに手塚治虫先生の漫画は面白い。
 初期の漫画は当時の他の漫画と比べてそのレヴェルは段違いに高いし、最後の方の「アドルフに告ぐ」も他の中途半端な漫画家の作品に比べたら遥かに読み応えがあるし、未完で終わった「ルードヴィッヒ.B」も続きが気になって仕方がない。
 少なくともすっかり自分の漫画のセルフ同人誌化している水島新司先生に比べたら一生現役、常に開拓、正に漫画バカ一代状態だった。
 当然、先生が亡くなったことは文化的にも大きな損失である。
 しかし、亡くなってから手塚先生の過剰な神格化には違和感がある。
 特に漫画を評価するよりも、キャラクターを売りにしていくのはかなり抵抗がある。
 「ブラック・ジャック」は手塚漫画の中ではかなり面白いし、これに「がきデカ」、「ドカベン」、「マカロニほうれん荘」が載っている「少年チャンピオン」は正に無敵だった。
 映画化やドラマ化もされているが、「瞳の中の訪問者」はブラック・ジャック役の宍戸錠にかなり違和感があったし、「加山雄三のブラック・ジャック」は、加山雄三の意味不明の二役や、オープニングのトホホな映像にがっかりした覚えがある。
 小中和哉監督のビデオシネマは未見だが、堤幸彦のドラマ版はまあ悪くはなかった。
 ピノコが双子というのが、ひねってあって解釈的にそれもありかなと思ってしまった。
 アニメで動いているブラック・ジャックを見たのは「24時間愛は地球を救う」の中のアニメ「バンダーブック」と「海底超特急マリン・エクスプレス 」で、特に「マリンエクスプレス」は意外にも最後が泣かせるので必見!
 ブラック・ジャックの声は野沢那智だったと思うが、ハマリ役だった。
 そして漫画のアニメ化はOVAを含めて数本あるが、1996年の「劇場版ブラック・ジャック」は監督が出崎統なので、「あしたのジョー」や「エースをねらえ!」のように影が入ったり止め絵が入ったりして正に出崎節炸裂なのだが、話は面白く、ただやはり劇場版となるとスケールが大きくなってしまう。
 もちろん、それもいいのだけどあくまで日常生活を基本とした人々の生死を描いていると思うので、そこらへんの原作の持ち味を生かした話を描いてほしかった。
 「犬夜叉」が終わった後に始まったTVアニメは原作の話を元にしており理想的であるのだが、残念ながら昨今のTV事情では無理なのか、大変無難な話になっている。
 しかし、まだそれはいい方で「ブラック・ジャック21」はどうしようもないくらいダメアニメで、謎の組織の陰謀をBJが世界各地を駆け巡り、解き明かす・・・・・・大丈夫か?>制作サイド
 原作を読むと、結構グロい話も多く、チャンピオン版コミックスの表紙を見ればわかるが、初期の頃の扱いは「恐怖コミックス」であり、グロさと人情話のバランスが「BJ」の面白さなのである。
 だからこそ、劇場版のはTVと違った原作の本来の持ち味を生かすものであってほしかった。
 しかし「ふたりの黒い医者」は細菌の話を基本として数あるエピソードを入れ込むというもので、基本的にはTVと同じなのである。
 まあTVでやりにくい話として安楽死を取り扱っているくらいで、それも原作で人気キャラであるドクターキリコを出すためでしかない。
 TVと同じものに金を払うのか、TVと同じだから安定した面白さがあるのか、意見が分かれるところだが、少なくとも自分は物足りなさを感じた。
 結局、それなりのスケールを出そうとすると、感染したら多くの命を奪う細菌の話しかないのか?
 また細菌を使って一儲けしようとする企業がいて、その用心棒がナイフの名人とかやたらと銃をぶっぱなす奴だったり、いかにもTVスペシャル版「ルパン三世」の脚本家・柏原寛司が作るようなキャラで面白みにかける。
 監督は、本人はヴィジュアリストと名乗っているが、本当の肩書は「手塚治虫の息子」である手塚眞。
 「白痴」を観るとわかるが、彼の映画は面白くない。
 どうもイメージ的に、親父の遺産を食い潰しているとしか思えない。
 まあ、これは石ノ森章太郎先生のとこも同じようなものだけどね。
 この映画でビルの崩壊に巻き込まれた男の子を腕と足を切断して助ける話があって、最後は金銭的にもめて風車をもらって手術代とする話(←ごめん、ちょっと昔読んだので記憶が曖昧)を映像化しているのだが、実は風車をもらうまでが人間のいやなところが描かれ、だからこそ最後に子供にもらう風車が生きてくるのだけど、映画はそこらへんの微妙さが描かれていない。
 その他にも全身不随の母親を、ブラック・ジャックが治してしまうのだが、その後、患者は付ききりで看病していた子供たちもろとも交通事故で死亡する話とか、天才刀鍛冶・憑二斉の話などがあるのだが、それらは話を羅列しているだけで、一本の話としては全く成り立っていない。
 自分はTVシリーズで何が気に入らないかというと、ピノコがレギュラー化していることで、確かにかわいいし、昨今のアニメ事情だと萌えの要素として必要かもしれない。
 だけど時々出てくるのがいいのであって、ブラック・ジャックは基本的に一匹狼であり、四六時中ピノコと一緒に動いているわけではない。
 ピノコは双生児の一方が通常に生まれず、片方の身体に包まれたまま腫瘍のようになる奇形嚢種で、人間に必用な臓器と魂だけを持つ存在で、ブラック・ジャックが合成繊維と人造皮膚を使って作り上げたものであり、発育と成長ができない。
 つまり、不完全人間であり、ある意味人造人間である。
 名前の由来もピノキオから来ている。
 どちらかというと「どろろ」の百鬼丸のような要素がある。
 ピノコの存在はギャグ的な要素もあるが、実は悲しいものがある。
 だからこそ、事実上の漫画の最終回「人生という名のSL」で美しく成長したピノコが出てきて、ブラック・ジャックに「お前は奥さんなんだから」とか言われるところにに感動するのだ。
 ところがTVアニメの方はどういう設定なのかよくわからないし、ただのマスコットにしかすぎない。
 確かに夕方7時からTVで奇形嚢種は厳しいかもしれないけど、もう少し何とかならないものかなあ。
 この映画でもピノコの役割は、話にそったギャグ的要素でなく、無理無理くっつけたものでしかない。
 例えばこの映画ではブラック・ジャックが連れていかれる時にピノコが発信機とカレースープを渡すのだが、当然、発信機は見つかって捨てられる。
 じゃあカレースープは何のためかというと、ピノコが飼っている犬に匂いを嗅がせて、ブラック・ジャックの居場所を探すというもので、全然笑えないし、話にうまく絡んでもいない。
 これがアニメ的面白さだというなら、そのセンスは昔のアメリカの短編漫画の中で終わっているし、それよりもセンスが悪い。
 原作は今読んでも面白い。
 だけど、それは漫画的な面白さであって、アニメ化する場合はアニメとしての表現があるわけなのだが、少なくとも今数あるアニメの中では意外にもオーソドックスといえば聞こえはいいが、新しさはなく凡庸だ。
 まあTVなら無料だからいいとしても、金を払う映画でこれはちょっとまずい!
 TVスペシャルなら許せるのだけどね。
 声はピノコの声が宇多田ヒカル((B85-W59-H84))じゃなくて良かった。(笑)
 ドクターキリコの声が鹿賀丈司が絶品!
 これは「ポケモン」でも実証されているけどね。
 平山あや(B85-W59-H82)は語るところなし。
 ところで予告編でピノコがメスを渡しているシーンがあるけど本編にはない。
 まあ、ここらへんは東宝のアニメ映画の予告編マジックってやつだね。
 しかし、去年は「犬夜叉」で今年は「ブラック・ジャック」って、東宝のこの時期はよみうりテレビのアニメの枠なのか?
 う~ん、リアルタイムで原作を読んでいるので思い入れが強すぎるのかもしれないが、今の若い世代にはこれくらいでいいのかな?
 あと、チラシに「漫画の神様・手塚治虫の最高傑作がついに映画化!」とあるけど、出崎統版はなかったことになるの?
 チラシに映画と関係ない手塚キャラがグルリと囲んでいるのだけどキャラクター売りはやめてほしいなあ。
 もっと漫画を評価してくれ。

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