「涙そうそう」
沖縄を舞台に、血のつながらない兄妹の切ない愛を描く物語で、TBSがテレビ放送開始50周年を記念し、名曲「涙そうそう」をモチーフに、ドラマ2本と映画1本を企画したのだが、映画の方は監督の体調不良で製作が中断!
このまま中止かと思いきや、監督を交替して製作を再開して2006年9月30日公開となった。
ドラマと続いているのかと思って、録画してあったドラマを観て映画を観にいったら全然別の話だった。
血のつながらない兄妹というと、どうしても淫靡な響きがあるのだが、頭の悪い少年誌のラブコメや、エロゲーではないので変な展開にはならない。
むしろ、血はつながらなくても家族の絆があるということをきちんと描いている。
恋より切ない愛の物語とは言いえて妙だと思う。
そして、この手の話だとベタな臭い話に成りがちだが、何とか寸止めで抑えている。
実は思ったより悪くない話展開で、これは意外なヒットかなと思ったのだが、最後やっぱり人が死んでしまうわけで、確かに泣かせる手段としては手っ取り早いのだが、何か違う方法でも良かったと思う。
自分の隣りにいた女子高生の観客は、妹が一人暮らしをするために兄の家を出る時に号泣していた。
自分もこの雰囲気で、ちょっといい話で全編行くのかと思いきや、そうでなかったので残念でならない。
主演の兄妹役には妻夫木聡と長澤まさみ(B83.5-W54-H82.5)。
血のつながらない兄妹で、長澤まさみ主演となると「タッチ」、「ラフ」と続いて、あだち充の「みゆき」が映画化したようで、ひょっとしたら東宝は真剣にその企画を考えていたかもしれないが、「ラフ」の見事なコケっぷりからそれはないかもしれない。
もし、この映画がこけたら東宝は正に涙そうそうである。
この映画で長澤は女子高生、ホテルの掃除婦(ちょっとメイド入ってます!)、浴衣姿、女子大生、喪服と色々な格好で目を楽しませてくれる。
今までの映画のイメージだとどうしても高校生のイメージが強いのだが、実は大人っぽい長澤も結構いけており、特に喪服は萌え度は高い!
それにこの映画の彼女は今までの映画に比べると表情がころころかわってかわいいぞ!
ただ、どういうわけか目の下にぼんやりとクマみたいなものがあって、メイクで何とかできなかったのは惜しい。
妻夫木はいい歳なのだが、いつまでも高校生ができそううなのが、ある意味すごい。
その他にも小泉今日子(B80.W58.H85)が幼い時の兄妹の母親役で出演しており、キョンキョンが母親役というのに時代の流れを感じた。
いや彼女の年齢的には不自然でも何でもないのだが、アイドル時代を知っているので少し複雑である。
監督は土井裕泰。
この人の監督作品の「いま、会いにいきます」は物凄い興行成績を上げたが、実は自分はあまり好きではなく、あまりにもきばりすぎた子供の演技が鼻についたし、どう考えても納得できない竹内結子(B80-W60-H82)の高校時代を大塚ちひろ(B78-W56-H81.5)が演じていること、最後の謎解きを映像よりも言葉で全部説明してしまったこと等があって世間が言うほど評価ができないのだが、この映画はOKだと思う。
しかし何だかんだいっても歌は名曲で、ドラマも映画もこの歌で随分救われている。
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