「茄子 アンダルシアの夏」
自転車って原チャリの免許持ってない奴の交通手段くらいの認識しかなかったし、それ以外は競輪の選手が乗るギャンブルだと思っていて、実は自転車がスポーツだと知るのは随分後で 子供の頃は女子は天地真理の写真がついている真理ちゃん自転車、男子はライダー自転車だったし、小学校は5段変速でフラッシャーがついている自転車に乗るのが夢だった。
ところが、5段変速フラッシャーつきは必ずといっていいほど、少し気を抜くとフラッシャーの部分は必ず盗まれるし、替えの電池を買う金がないので電池が切れたらそれで終わり。
さらに当時は、トラック野郎がブームだったせいもあって、麦球をつけすぎて、本来のライトに電気がいかなくなったりして、その対策案として自転車にバッテリをつんだ頭の悪そうな奴も出没していた。
五段変速のギアはすぐにチェーンがはずれるので、うまくギアチェンジしないと明らかに遅刻。
特に自分は8時40分に学校が始まるのに、ビデオがなかったので「朝の連ドラ」を観てから家を出るという無茶なことをしていたので、チェーンがはずれたらあきらかに遅刻で、ある意味毎朝がギャンブルだった。
しかし、当時の自分は自転車なんかどうでもよくて、バイクに乗りたかった。
自分の入学した学校は自由な校風でバイク通学ありだったので、ご機嫌だったのだが、そんな簡単な話ではなく、通学距離が10キロ以上と限定されていたのだ。
申請しにいった時に職員室で担当の先生が、まるで戦争の時に使うような戦略爆撃用の地図みたいなもので家から学校までの距離を計算、なんと9.5キロという数字が出てしまい、仕方なく自転車通学になったわけだ。
「茄子 アンダルシアの夏」は自転車通学にかける学生の話ではなく、プロの自転車レーサーの話である。
至って簡単なストーリーで上映時間は47分、当時の入場料は1000円。
といっても昭和50年代の話ではなく、当時、WMC系列は1000円興行が多かったのだ。
むやみやたらと長い映画が多い中で、同時上映をつけずにこのやり方で興行したのは評価するべきだし、これからももっと増えてほしい。
茄子と自転車レースとアンダルシアとどういう関係があるのかは、事前情報を仕入れておかないと、久本雅美が茄子の格好をして自転車に載っている姿を想像してしまう人・・・・・・なんかいるわけないか。
短い話ながらもこの映画は面白く、特にレースのシーンの迫力があり、最後の「クレヨンしんちゃん」でもお馴染み劇画チックなところは笑えると同時に緊迫感がよく伝わって良い。
レース以外のエピソード、例えば、徴兵に言っている間に恋人を兄にとられてしまったとか、やろうと思えば時間をかけて描くことだって可能だが、短い時間でさっさと、それでいて大変わかりやすく描いてしまったところはうまいと思う。 声の出演で小池栄子(B91-W59-H87)が出ているのだが、これが思った以上にうまく、実は今まで首より下は好きで顔がいまいち好きになれなかったが、この映画で声優としてはうまいと見直し好きになった。
まあ、小池がうまいかどうかよりも、それ以上に最近の声優がへたすぎというのもあるんだけどね。
主人公の「遠くに行きたい」という気持ち、社会人になるとじんわりと心に響いてくる。
自分もできることなら遠くに行きたいよ・・・・・・といいながらも自分をだましながら明日も会社へ行くんだろうなあ。
しかし、茄子って日本の茄子と少し違うみたいで、映画の茄子がどんな味かはよくわからないけど、自分はやっぱり田楽が一番美味しいと思うぞ!
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